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隣人がズカズカ踏み込んでくる。でも、それが悪くなかった。映画『川っぺりムコリッタ』

執筆者の写真: Yukari Imagawa
Yukari Imagawa
5月25日
読了時間: 2分
薄い水色のブログ見出し画面。中央に川っぺりムコリッタ、下に隣人がズカズカ踏み込んでくる、その先にあったものと映画感想 | yukari nowが表示。

正直、最初は「この隣人、無理かも」と思った

主人公の山田は、北陸の塩辛工場で働きはじめた男。古いアパート「ハイツムコリッタ」に越してきた初日から、隣の島田(ムロツヨシ)が「風呂を貸してほしい」とやってくる。

ずかずか入ってくる。馴れ馴れしい。距離感がわからない。

山田はできるだけひとりでいたい人で、私も観ながら「うわ、これは嫌だな」と思った。でも、その感覚がじわじわとほどけていくのがこの映画だった。


お風呂の中で聞こえてくる、島田の声

見た人はわかると思うけど、イカの塩辛の壺のくだり。お風呂の中の山田に、島田の声だけが届いて、山田が笑うシーン。

あそこが一番好きだった。


人との関わりが、閉じた心を少しずつ動かしていく

山田は、事情があってひっそり生きようとしている人だ。でも島田をはじめ、アパートの住人たちとの日常がじわじわと何かを変えていく。


押しつけがましくない。でも確実に、誰かが誰かを支えている。


アパートの人たちそれぞれに事情があって、それをきちんと説明してくれるわけじゃないんだけど、なんとなく伝わってくる。そのなんとなくが、すごく丁寧な映画だと思った。


「わかり合う」じゃなくて「わかろうとする」

観終わって、ずっと頭に残っているのはそのことだった。

完全にわかり合える人なんていない。でも、相手の事情をわかろうとすること、そのプロセスそのものがとても尊いんだと思った。島田のあの距離感も、最初は「無理」と思ったのに、最後には「ああ、これが島田なんだな」になっていた。


北陸の曇り空と、ごはんの温かさと、塩辛工場のにおいが漂ってきそうな映画。

観終わったあと、しばらくぼんやりしたくなる、そういう余韻がありました。


もし気が向いたら、ゆっくり観られる夜に。


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