梅雨の道で出会った、青。- 紫陽花アクリル画
- Yukari
- 6月7日
- 読了時間: 2分

光のあとに
雨はいつの間にか去っていた。
空はまだ淡い雲を残していたけれど、
その向こうから、一筋の光が降りてきた。
紫陽花は何も言わない。
ただ静かに、その光を受け止めていた。
昨日までの雨も、
花びらを打った風も、
そこに残る小さな傷も、
誰にも語ることはない。
けれど光は知っている。
長い雨を越えてきたことを。
だからだろうか。
降り注ぐ光は眩しいのにどこかやさしく、
紫陽花たちは安心したように色をほどいていく。
青はより深く、
白はより淡く、
ひとつひとつの花が小さな星のように輝き始めた。
雨の日は終わるためにあるのではなく、
光を迎えるためにあるのかもしれない。
そう思わせるほど、
その朝の紫陽花は美しかった。
ただ咲いているだけなのに、
まるで世界そのものが祝福されているようだった。
道を歩いていたら、紫陽花がキラキラしていた。
それだけのことなんだけど、なぜかその光景がずっと頭に残って。帰ってきてから、キャンバスを出した。
アクリルで、青をのせていく。ひとつひとつ重ねていくうちに、あのときの光が少しずつ戻ってきた気がした。
梅雨ってなんとなく憂鬱なイメージがあるけど、あの日の紫陽花はそうじゃなかった。雨上がりの葉っぱに光が当たって、ただ、きれいだった。
描き終わって、穏やかな気持ちだった。楽しかった。それだけで十分な時間だった。
この絵は、そういう一日の記録です。
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